日本経済新聞静岡版に掲載されました。
2018年1月19日付けの日本経済新聞静岡版にて弊社千博産業が掲載されました。
製品紹介だけでなく、制振装置事業への取り組み、テクニカルサポートセンターの開設によるサポート体制に充実化の部分に関しても取り上げていただきました。
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以下本文書き起こし
平成30年平成30年1月19日 日本経済新聞 静岡版 35面 静岡経済欄
「わが社の一押し」
木造住宅向け制振装置
車の衝撃吸収技術を応用
アルミ建材の施工販売を手掛ける千博産業(浜松市)の木造住宅向け制振装置「evoltz(エヴォルツ)」シリーズが好調だ。2015年の販売から徐々に販売を伸ばし、現在は年間約3,000棟で採用。売り上げの7割を占める主力事業に育った。
耐震機能の高い住宅でも繰り返し余震が起こると徐々に構造体が傷んで倒壊の危険が増してしまう。制振装置は構造体に取り付けることで地震の揺れ自体を吸収し、建物へのダメージを軽減するための装置だ。
自社開発にあたって参考にしたのが、路面から伝わる振動や衝撃を吸収する自動車の「ショックアブソーバー」だ。大手の独ビルシュタイン社でその設計開発に当たった上野浩志氏を迎え入れた。大きな衝撃を過酷な条件下で繰り返し吸収することが求められる点に、制振装置への応用の可能性を見いだした。
課題は自動車と制振装置に求められる機能の違いだった。自動車向けでは小さな揺れのときは揺れを止めようとする減衰力も小さいのが常識だったが、制振装置では建物の耐震性を損なわないように小さな揺れのときから大きな減衰力を発揮することが求められる。
上野氏は制振事業部エンジニアリングマネージャーとして、知見を生かして高い制振性能をもったショックアブソーバーを開発。製造もビルシュタイン社に委託した。「オイル漏れを防ぐ部品や建材と接合するビスの選定や開発にも試行錯誤を繰り返した」(上野マネージャー)という。
東日本大震災や熊本地震で制振への関心が高まるなか「地域の工務店が大手ハウスメーカーのように制振装置を自社開発するのは難しい」(渥美幸久社長)とあって、発売以来販売は右肩上がりだ。17年9月には耐震性能を高めつつ、施工者が1人でも取り付けられる軽さも両立した筋交いタイプの新モデルも発売。「25年には年間1万棟での採用を目指す」(渥美社長)考えだ。
サポートの充実
販売拡大支える
制振性能以外で他社との差別化要因になっているのが、自社で建物1棟ごとに構造計算をして施工業者に装置の効果的な本数や配置を提案する「テクニカルサポートセンター」の存在だ。専属で6人の従業員が所属する。
コストダウンを考えれば削ることもできる部分だが「確かな根拠を基にした提案が信頼につながる」(渥美社長)とみる。装置一つ一つをシリアルナンバーで管理しているのも信頼性を重視した取り組みだ。
渥美社長は「制振装置が木造住宅に標準的に取り付けられるよう着実に認知や市場開拓を広め、業界のトップメーカーとして成長していきたい」と意気込む。
(伊神賢人)