ショックアブソーバーに精通するスズキグループの工務店が標準採用する制振装置とは
1974年以来、「安心して暮らせる住まい」スズキハウスを提供してきた株式会社スズキビジネスは、あの有名な自動車会社のSUZUKIを親会社に持つ工務店です。
「住まいは単に生活する場所ではなく、人生を彩る風景である」をモットーに、耐震性や制振性をはじめ、耐火性や断熱性、省エネルギー性まで徹底的にこだわり、静岡県や愛知県を中心に住まいの安心をサポートし続けてきました。
安心を第一に掲げ、自動車のショックアブソーバーにも精通している株式会社スズキビジネスが、制振装置に「evoltz」を選び、しかも全棟標準採用したポイントとは何だったのか。
同社の荒木様にインタビューで語っていただきました。
─制振ダンパー「evoltz」を知ったきっかけを教えてください。
当社の展示場の商品説明に千博産業さんがいらっしゃってくださった際に、サンプルを見せていただいたことがきっかけです。
弊社は2×4住宅(※ツーバイフォー住宅:木造枠組壁工法の1つで、使用される角材のサイズが「2インチ×4インチ」の住宅を指す)がメインですので、もともと地震に対する耐性には自信がありました。
しかし、東日本大震災の発生をきっかけに余震の発生に対する考え方が変わり、「これからは連続地震への対策が必要だ」と強く感じました。
そこで更なる対策を模索することとなり、様々な会社の製品を研究してみたのですが、どれも2×4の耐力壁との共存が難しかったんです。
どうしようかと悩んでいた際に、ちょうど千博産業さんの「evoltz」と出会いました。
弊社の親会社は、自動車会社のスズキです。
だからショックアブソーバー式の減衰機構については、かなり知識があります。
そのため、「evoltz」の特徴である超バイリニア特性(※)についても、全くの疑いもなく理解することができました。
その一方で、自動車のショックアブソーバーは常に動いて性能を維持するものであり、逆に言えば、動かないとオイル切れを起こして作動不良になりやすいものと認識していましたので、住宅の制振装置として使った場合、長い間作動しなかった装置でも、ここぞという時にきっちり作動させることが可能なのか、という点は気になるポイントでした。
この点も、アリゾナの耐久試験をクリアしたシーリングを使用したり、ビルシュタイン社さんお得意のド・カルボン式にするなどで克服したとのこと。そして、貴社と独ビルシュタイン社との信頼関係によって成立した製品である等の話を聞くにつれ、どうしてもevoltzを採用したい。また当社の地域柄、自動車エンジニアのお客様が非常に多いのですが、その方々の既成概念をちょっとだけ打ち崩してみたい、驚かせてみたい、といった気持ちもありまして採用に至ったという経緯です。
※超バイリニア特性:極めて小さな揺れから制振機能が確実に効く、特許を取得したevoltzのオンリーワンの技術。
─「evoltz」の採用を決めたポイント、「evoltz」の最も良いと思う点を教えてください。
1番は、耐力壁に影響を与えず、設置の自由度が非常に高いという点です。
加えて、バイリニア特性を持った制振装置であるという点も大きなポイントですね。
ゴムや金属のしなりを利用した制震装置は、ある程度の大きな力が加わらないと機能しない印象なのですが、ショックアブソーバー式の場合、自動車のサスペンションで想像できるように、「小さなデコボコはしなやかに吸収し、コーナリングなどで大きな力が加わるところではグッと踏ん張る力がある」、と思っています。
つまり、震度の大小にかかわらず、それに相応した制振力を発揮できるのがすごいところですね。
メカニカルな外観も個人的には非常に気に入っているのですが、住宅では隠れてしまう部分なので残念です。(笑)
─なぜ「evoltz」を標準採用することに決めたのですか?
当社では、耐震等級3を標準仕様として設計しているのですが、剛性を高めた耐震だけでは揺れ方による共振を抑えたり、繰り返しの揺れによる建物の損傷を軽減するのは困難です。昔は東海地震、現在は南海トラフ地震が想定される地域でもあるため、よりお客様の安全と資産を守るため、2×4工法と相性が良い「evoltz」を標準採用しました。
─「evoltz」を採用された施主様からの感想があればご紹介ください。
採用されたお客様の話ではないのですが、弊社は検討中のお客様や、関係会社のイベント等で、起震装置による「evoltz」の体験デモを行っています。
はじめはお客様もアトラクション気分なのですが、「evoltz」を作動させるとピタっと揺れが止まるため、皆さん誰もが予想通り非常に驚かれまして、大騒ぎになります。
この実感できる性能の高さはとても好評ですね。
先日も構内イベントに持ち込んだら、噂が噂を呼んだのか、体験希望のお客様で大行列となりました。
やはりどのお客様も地震対策についての関心は高いようで、「evoltz」はそのようなお客様にとても響く製品だと感じています。
─現在多くの工務店が制振装置の採用を検討しています。どのような工務店に「evoltz」をオススメされますか。
東北地方では、未だに震度4程度の余震がニュース速報で流れているのを目にします。
地震列島である日本の上に家を建てるのですから、「地震に強い」だけなく、「うまく付き合っていく」という考え方が必要です。
そういった背景がある中で、他社さんと差別化を図っていきたいと考えられている工務店さんには、ぜひお勧めしたいと思います。